ほしぞらの旅人街道

2020年1月に落書き感覚で書いていた自作小説のまがい物です。
西洋風の世界で星空を眺めながら生活している少女二人のお話です。

物語のまえおき

登場人物

「主人公」小さな水車のついた小屋で粉挽き屋を営んでいる。小説を書くのが好きで、「社会現象でもある日が昇らない世界に魔法を使って再び日が昇る世界を取り戻す」といった創作小説を書きながら自由気ままに暮らしている。

「同居人」IKEAのサメ人形。「まるる」という名がついている。ご飯を一緒に食べたり一緒に星空を眺めたりずっと寄り添ってくれる優しい存在。

「旅人さんたち」2週間に1度位の頻度で旅をする人が旅人街道から主人公の家に訪ねてくる。道の行く先を聞いてきたり、休憩がてらにやってきたり。そのたびに主人公がもてなしてあげている。この物語は主に1度きりの出会い、旅するものの側ではなくもてなす側から見た視点で描かれる一期一会な物語として進行させていく。

世界観

「日が昇らない世界」世界的に現象問題となっているものでお昼になっても太陽は登らず、1日中真夜中の世界に。流れ星も頻発するようで隕石衝突が宇宙空間で多発し、砕けた星屑が夜空に満ちて地上からは満天の星空やオーロラを眺めることができる。

「小川の水車屋」片田舎で主人公が住んでいる小さな水車のついた小屋。周りには小さな小川と干し草の牧場、反対側は地平線まで広がる田園地帯や小麦畑が見える。近くに民家はなく歩いて2kmぐらいに主人公が通う「まほうがっこう」がある。

「旅人街道」主人公が住む小屋の前にある街道。人通りはまったくなく、静かに鈴虫の音が聞こえる程度。石畳で舗装された道は左右に伸びて地平線まで続いている。   

「まほうがっこう」主人公が通うフリースクール。主人公の住む家から2kmぐらい旅人街道を歩くと見えてくる。立派な振り子時計やアンティーク調の家具などが置かれ年季を感じる。ここには一人の老人教師が居て主人公に生活の知恵やこの世界の現象問題について語ってくれる。

ストーリーリスト

【1話】日が昇らない世界と天文学者さん

【2話】旅するジャーナリスト

【3話】孤児保護団体の訪問

【4話】逃げるという選択肢を選んだ者

【5話】罪なき子守唄

【6話】”わたし”として生きる未来

【7話】ひとりぼっちの旅人さん

【8話】旅する恋人さん

【9話】星になりたいケモノ耳

【10話】引き寄せられる旅人たちの行く末

【11話】夢収集車

【1話】日が昇らない世界と天文学者さん

 この世界は不思議なことに太陽が昇らないという現象に置かれた状態で、周りには満天の星空と小さな小川、どこまで続いているのか検討もつかない石畳の街道、それらを囲む小麦畑が地平線まで伸びていました。小川には隣接する形でぽっつりとたった小さな水車小屋が見え、一人の少女が暮らしています。

 彼女は小屋の外にある小川から動力を得る水車を動かして室内で小麦の粉を引いたり、外部から送られてくる粉挽き依頼の物品を粉砕してパッケージングし、依頼主が来る前に玄関先に置いておくという粉挽きのお仕事をしていました。

 ですが一番のお仕事はこれだけではなく、彼女にとっての役割がもう一つありました。無限に続く星空のもとの旅人街道からやってくる「旅人さん」たちをもてなしてあげることです。長い旅路から道を尋ねるもの、夜遅くになって泊まり込みに来るもの、様々な心境をかかえて通りかかる者…

彼女は決まって旅人さんたちにこう語りかけます。「なにはともあれ私の家によってください。美味しいお菓子を用意してますよ。」微笑むようにお客をもてなし、煙突からはお菓子の香ばしい香りが漂い満天の星空に登り上がっています。

 今日訪れた旅人さんは「不思議なローブをかぶった天文学者さん」。どんな楽しいお話をしてくれるのでしょうか…

小川で粉挽き作業に必要な布類や溜まった衣類をまとめて選択し、木の枝に引っ掛けて干しているとき、背後から誰か人の気配がしました。

「すみません、ちょっとお尋ねしてよろしいでしょうか。」

私は決まったことを口にします。

「旅人さんですか?よかったら家でお茶でもしていきませんか?」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です